福島県三春:庚申坂遊郭10「妓楼の間取り」


三春町立図書館で見つけた最後の資料はこちらです。
妓楼建築群を利用した町興し提案書を兼ねた妓楼建築の調査報告書のようです。

三春町住宅研究会『歴史的建造物保存活用調査報告書』(1994年)から引用します。
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これまで、妓楼の屋号を羅列状態で掲載してきたので、どのような配置になっているのかが、イマイチ分かりづからかったと思います。

うってつけの記載がありました。配置を載せているのがこちらです。
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向かって左側が遊郭区画の入り口。ここから妓楼に入ってきた訳です。入口から「花屋楼」、「島屋楼」、「二葉楼」、「島村楼」が並んでいるのがわかります。
以前掲載したPhotosynthのこちらは二葉楼に向かい合ったアングルからの撮影であることもお分かりいただけると思います。

そして地点Eに仕出しを行っていた「しんこや」があります。
前項にあった検黴所は島村楼の向かいあたりにあったのではないかと思います。

これで庚申坂遊郭の配置がバッチリお分かりいただけたでしょうか?

話は戻りますが、この資料には各妓楼の間取りが詳細に記録されています。
1994年に調査されたものなので現役当時と全く同様ではないかもしれませんが、おそらく間取りは変わらず、用途のみが時代時代で替わってきたのではないかと思います。

では、遊郭跡入り口近くの花屋楼から順番に見ていきましょう。

■花屋楼

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■島屋楼

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■二葉楼

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■島村楼

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■それぞれの正面図

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図面だけをバラバラと眺めても散漫なので、部屋数と畳数をまとめてみました。

花屋楼 島屋楼 二葉楼 島村楼
1階 2階 1階 2階 3階 1階 2階 1階 2階
3畳 3 1 1 5 1 5
4畳 1 2 1 1 1
4畳半 2 1
5畳
6畳 4 5 4 5 1 4 6 3 4
7畳 1
7畳半 2 1 1 1
8畳 3 2 1 2 3 1
12畳 1 1 1 1
便所小 1 1 1
便所大 2 2 2
畳数小計 52 63 54 62 10 51.5 75 45 122.5
部屋数小計 8 12 8 10 2 8 14 7 14
畳数合計 115 126 126.5 167.5
部屋数合計 20 20 22 21

結果的には…

■畳数
島村楼 >>> 二葉楼 > 島屋楼 > 花屋楼

■部屋数

二葉楼 > 島村楼 > 島屋楼 = 花屋楼

■特徴

  • 何よりもまず、二葉楼と島村楼の3畳間の多さ!小部屋が多いということは、それだけ娼妓とシッポリする場所が多かったということで…。
  • 庚申坂遊郭で一番の大店は島村楼か二葉楼。畳数で言えば圧倒的に島村楼。
  • 島村楼を除く3軒がコの字型の造りであることも共通項。

というわけで、なかなか面白い資料でした。島屋楼は見かけからは分かりませんでしたが、3階建てだったことも驚きです。部屋数、畳数的には大きくはないものの、ステンドグラスがあったりと、個性を売りにした妓楼だったのかもしれませんね。

外観だけでは分からない部屋数、間取りから当時の妓楼に想いを馳せるのも楽しいですね。

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