福島県三春:庚申坂遊郭8「三春名所案内」


弓町の遊郭跡を見た後、その足で往路で見つけた図書館に行くことにしました。かなり立派な妓楼群だったので何かしら資料が残っていそうな気がしますよ。

結果的に見つけた資料の一つが「三春名所案内」
その名の通り、観光名勝を集めたガイドマップですね。

大正14年制作で著作権保護期間が満了していること、薄い印字部分は白黒コピー機では全く写らなかったこと、それらの状況を司書の方に相談して、カメラ撮影の許可を頂きました。

では見ていきましょう。
表紙です。
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見返し。
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見返しにはこう書かれています。

大正14年10月30日印刷
大正14年11月7日発行
定価金50銭

編集者 影山常次

三春町字仲町38番地
印刷兼発行者 三春写真館

仙台市東3番町
印刷所 大正印刷株式会社コロタイプ印刷部

発行者は三春写真館だそうです。この三春写真館(サイト)は、現在もこちら(地図)でお店を構えているようです。当時の仲町(中町)38番地からは少し離れていますね。

さてさて、お楽しみの、中を見ていきましょうか。

二葉楼」と「島村楼」が掲載されていますよ!
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この資料を見つけた時は思わずワッと声を上げてしまいました。
イスで寝ている爺様を起こしてしまいました。すみません。どうぞ安らかにお眠りください。

二葉楼」は前項で取り上げた妓楼です。当時の屋根と一緒であることが、これで判明しましたね。

島屋楼」こちらも前項で取り上げましたよね。
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自信は無いですが、書き起こしてみます。

三春庚申坂 鳴いて通る鴉(カラス)
金もないのに 買おう買おうと

三春庚申坂 吉原まがい
前に田もある土手もある

こいのこいのこいの 鯉の瀧のぼり
鯉の瀧のぼり 意気なもの

瀧の桜と光大寺のおいせ
花は咲けども 実はならぬ

また来しやんせ 忘れはしない
わたしゃ三春で意気自慢

芹ヶ澤あたりの紅葉のさいも
もゆる思は いろに出る

煙草一葉が千両とて見たら
三春庚申坂 金が降る

読めない部分、間違っているかも…な部分があります。随時ご指摘いただければ幸いです。

つづいて「花楼」こちらの妓楼は、4棟の並びのうち、向かって一番左側の家屋です。
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花楼 電話62番

滝の桜に手は届けども、殿の桜で折られない

この下りは三春盆踊りの句だそうです。畑の真ん中にある桜ですが、殿様の直轄管理だったため、こんな句になったそうです。

こちらは第二東北製氷会社。
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妓楼とは関係ないですが、有名な三春甚句

奥州三春に庚申坂なけりゃ 旅の馬喰も金のこす

が書かれていますね。

「馬喰」とは牛馬の仲買人。遊び人の代名詞とも言われるらしいです。
前項の遊郭入口石標を覚えていますか?せり場があったことを。
まさしく仲買人がせりで儲けたお金も、有名な庚申坂でお金を落としていってしまう(くらい賑やかでいい所だよ)ということですね。

三春名所案内については前項(遊郭入口)で「滋味あふれるばかりの柏もち」を売っていた和菓子屋「昭進堂」のサイトに載っていました。こちらの記事です。やりますな昭進堂。伊達に滋味あふれさせてないですね。とろとろ…。

大正14年の感覚では、他の名所旧跡と同列に遊郭が載っていたんですねぇ。当時の価値観の一端を伺い知ることができました。
いやはや貴重なものを見せて頂きました。

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