香川県高松:八重垣遊郭4「瓦町駅の妓楼長屋」


瓦町駅近辺を探検中に見つけたこの物件。悪い意味で目が肥えてしまい、鈍感になっていた矢先、久しぶりに身の内が震えるような物件に出会いました。

多く語る必要はありません。動画で結論から先に見て頂きたいと思います。

ただでさえ頻尿なのに粗相をしそうになりましたよ。まさに頻尿殺しの物件と言えましょう。

地図はこちらです。路地に面して4件、奥に5戸ある配置が分かると思います。

勿論、Photosynthでも撮影しました。(↓の画像をクリックしてご覧ください)
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こちらの方が雰囲気は伝わるかもしれませんね。

ではパーツを細かく見ていきましょう。
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二階部分の屋根が2重になっていたり、出窓になっていたり。もちろん、手摺の全てには透かし彫り。家屋は小振りなものの、相当凝ってますよね。
この物件を発見したとき、「古いから目に付いた」だけではないんです。全ての造作が民家のそれじゃないんですよ。奥のアパートも軽く気にしておいてくださいね。

向かって右手の物件です。小振りですが恐ろしいほど端正な佇まい。張り出した出窓など、城郭のようですよ。「郭」の文字を使うのも納得してしまいます。
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そしてこちらは向かって左の物件を見上げたアングル。出窓。
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ドキドキしながら路地を進んでみます…。もう頻尿なんて怖くない。頻尿どんと来い!

2つ目奥の右手物件です。これがハイライトと言える物件です。
玄関引き戸はまだ当時の木製のようです。
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もう少し近寄ってみます。

玄関上の照明です。木村聡「消えた赤線放浪記」(2005年、ミリオン出版)P301に載っている徳島県秋田町遊廓の物件と酷似しています。
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二階の手摺も含めて少し引いた写真。逆光御免。
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次は向かいの物件です。
玄関がスチールサッシになっており、わずかにリフォームの跡が見て取れます。
向いの家屋と同じデザインです。
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見上げてみます。手摺です。他の物件と同様、透かしが入っていますね。松竹梅と木瓜でしょうか?
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奥に進んでみます。

上記物件の奥側を見上げると…。
ツタは絡まっていますが、こちらにも手摺が。もうイチイチ手が込んでます…。
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奥手から路地入口側の方向。
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さらに奥のアパートに進みます。

アパートの玄関。
こちらもわずかに装飾があります。屋根に平行に通る柱。その柱下の換気口(?)。
玄関扉の照明部分。どうしても単純なアパートとは見えないのです。
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左右にカメラを振ってみます。
向かって右。玄関扉が2つ。二階の手摺も見逃せません。
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向かって左。同様に玄関2つ。
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ここまで見て、既にお気づきかもしれませんが、区画内の家屋が全て鏡像関係にあります。

通通通通通
 路 
 地 
家家家家

の状態だとすれば、同色同士が対の関係です。
注目なのは赤字物件が大通り側に玄関があること。
たいてい袋小路の長屋は、少しでも喧噪の少ない路地側に面して玄関がありますよね。
この物件の場合、むしろ人ができるだけ出入りしやすい状態になっている訳ですよ。

勢い余って「妓楼長屋」とタイトリングしてしまいましたが、この物件群が妓楼である証拠は今のところありません。

全国女性街ガイド(1955年刊)に拠れば、芸者屋があったのは「主として大工町」とあり、今回の物件、塩上町とは異なります。

状況証拠にすぎませんが、人が出入りしやすく、手摺欄干を始めとした外連味のある造り。
想像し得る職種として、料亭、小料理、座敷、見番、置屋…?。

妓楼の真否は横に置いておいても、これだけ時代を超越した物件が、さらに、「群」を成してほぼ丸ごと完全な状態で、繁華街駅の20メートルと離れない場所に存在する事自体、驚きを隠せません。

拙い文章で、目の当たりにした迫力の僅かも伝える事ができたとは思えませんが、是非、今のうちに見ておいて頂きたいと思える数少ない物件のうちの一つです。

「香川県高松:八重垣遊郭4「瓦町駅の妓楼長屋」」への1件のフィードバック

  1. はじめまして。
    Twitterで発見して以来、記事を読ませていただいてます。
    いつか見たいと思っていたこの物件をついに見てきました!

    そこだけ駅前とは思えない、何とも言えない雰囲気がありました。
    左側の2棟は繋がっているようですね。
    奥の蔦が絡まった家屋の屋根瓦に朝顔が咲いていて風情でした。

    また、四国は和菓子屋さんの欄干にある手すりが透かし彫りだったり、古い旅館のお風呂が豆タイルだったりして、楽しかったです。

    いつも素敵な写真と記事をありがとうございます。
    これからも参考にさせていただき、遊郭めぐりしたいです。

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